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遺言の種類~種類別の特徴やメリット・デメリットを解説~

遺言書とは?

遺言書とは、遺言者の最終の意思を表したもので、死後に財産をどのように分けるのか示したものです。
遺言書で財産の分け方について意思表示をしておくことで、誰に何を相続させるか、自由に決めることができます。

さらに、 財産に関する事項以外にも遺言で定めることができますが、遺言の内容に法律効果をもたらすことができる事項は、法律で決まっています。

この事項を『遺言事項』といいます。

なお、遺言は被相続人ごとに作成します。
また、遺言は、文字で残すことを原則とし、後日の改変が可能なビデオテープや録音テープなどは認められていません。

遺言書は正しい形式で作成できないと遺族間で後々トラブルの種になるため、遺言書を書く前には事前にしっかりと正しい知識を身に着け、内容に不備がないように慎重に執筆する必要があります。

遺言の種類には、まず大きく普通方式の遺言と、特別方式の遺言に分けて定めています。

遺言書の種類

遺言書には普通方式遺言(3種)と特別方式遺言(2種)の2通りの形式があります。

特別方式遺言は事故・人事災害などで身に危険が迫っているときに利用できる形式で、普通方式遺言はそれ以外の状態で使われる形式です。ほとんどの場合は普通方式遺言を使うことになります。

1.普通方式

一般的な遺言書には、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類があり、状況や目的に合わせて自分に合った方式を選択することができます。

●自筆証書遺言・・・直筆で書く
●公正証書遺言・・・公証役場へ出向き公証人のもとで作成する
●秘密証書遺言・・・遺言内容を秘密にしたまま公証人と証人2人以上に遺言書の存在を証明してもらう

3種類の中では、公正証書遺言が最もおすすめです。公正証書遺言は、公証人が正しい様式で作成し法的にも無効になることが少ないためです。

2.特別方式

特別方式遺言は、病気や事故により死が目前まで迫っている状況で活用できる遺言形式です。

特別な方式な遺言のため遺言作成より遺言者が6ヵ月生存していた場合、その内容は無効になります。

●危急時遺言・・・疫病や船の遭難・飛行機の難航、その他の有事によって目の前に死が迫っている状況で利用できる
●隔絶地遺言・・・伝染病での隔離病棟治療中や刑務所に服役中など、死は迫っていないが自由に行動をすることができない状況で利用できる

手軽に書けるが無効になる可能性がある?自筆証書遺言

自筆証書遺言は、ご自身が遺言書の内容をすべて直筆で書いたもののことです。

本人が、本文の全文・日付・氏名を自筆で書いた書面に捺印します。

用紙は何でも構いませんが、ワープロ文字や代筆は認められず、必ず自分で書くことが必要となります。

なお、2019年1月から自筆証書遺言で作成する財産目録については、パソコンでの作成が可能となりました。

自筆証書遺言の3つのメリット

自分一人で作成可能

最初に作成をする際も、遺言の内容に変更が生じた際もいつでも気軽に修正ができます。

ただし、新しい日付で書かれた遺言書が遺言執行の効力をもつ遺言書になります。

費用がかからない

ご自身で作成するため、費用は発生しません。

遺言書を作成したことや内容を秘密にできる

遺言書に記載した内容を生前にご家族に見られたくないこともあるかと思います。

自筆証書遺言の場合は、ご自身で作成して見つからないようにしまっておけば内容を秘密にできますし、遺言書の存在も知らせないことができます。

ただし、保管場所にこだわりすぎてしまうと、亡くなられた後に相続人が発見できず無効になる可能性もありますので、注意が必要です。

自筆証書遺言の3つのデメリット

書き方・内容に不備があると無効となる恐れがある

遺言書の書き方には正しい様式があります。自筆証書遺言の場合誰もチェックをしてくれませんので、遺言書を作成するご自身で正しい内容で記載をしていただくしかありません。

記載方法が間違っていた場合には、間違っていた箇所が遺言として法的に無効となってしまいます。

裁判所の検認に時間がかかり、遺言の執行がなかなか進められない

自筆証書遺言の場合には相続発生後、ご本人(被相続人)が作成したものか、改ざん等がないかなど、家庭裁判所で確認をしてもらう必要があります。

裁判所の手続きに時間を要することがあり、スムーズに手続きを進めることが難しい場合があります。

遺言書の検認について詳しくはこちら>>

相続人が発見できない・紛失の恐れがある

自筆証書遺言は、生前に見つかってほしくないという思いから比較的発見されづらいところに保管する方も多いです。

その場合、せっかく遺言書を作成したのに発見できずに想いが伝わらないことがあります。(2020年7月10日以降、自筆証書遺言を法務局で保管できる制度が開始されます。)

手続きがスムーズな公正証書遺言

公証人は遺言書の正しい記載方法を熟知していますので、遺言書の記載ミス等により無効になることがなく、安心できます。

公正証書遺言は、遺言者本人が公証人役場に出向き、証人2人以上の立会いのもとで、遺言の内容を話し、公証人が筆記します。

そして公証人は、記録した文章を本人と証人に読み聞かせたり、閲覧させたりして筆記の正確さを確認し、それぞれの署名・捺印を求めます。

これに、公正証書遺言の形式に従って作成した旨を公証人が記載し、署名・捺印して完成します。
なお、言葉の不自由な人や耳の不自由な人の場合は、本人の意思を伝えることのできる通訳を介して遺言を作成することができます。

また、相続人になる可能性のある人(推定相続人)、直系血族、未成年者、受遺者などは、公証人役場での証人になることはできません

公正証書遺言の3つのメリット

公証人が作成するため、様式が間違っていて無効になる可能性がない

公証人が作成してくれるため、公正証書遺言の記載内容での間違いはありません。

ただし、遺留分等については公証人は教えてくれないため、財産の分割についての正しさは相続の専門家へ相談することをおすすめします。

当センターの遺言サポートについて詳しくはこちら>>

公証役場で保管するため、紛失や偽造の恐れがない

公正証書遺言では、作成した遺言書をご自身と公証役場の両方が持つことになります。

ご自身の持っている遺言書がご家族に発見されなくても、相続人に公証役場を尋ねてもらうと遺言が見つかりますので安心です。

また、もしご自身で保管している方の遺言書が偽造されたとしても、公証役場で保管されている遺言書は偽造されることはないため、安心できます。

検認の手続きが必要なく、すぐに手続きが進められる

他の遺言書の場合には、相続発生後、ご本人(被相続人)が作成したものか、改ざん等がないかなど、家庭裁判所で確認をしてもらう必要がありますが、公正証書遺言では不要となります。

検認が不要だとスムーズに手続きを進めることができます。

遺言書の検認について詳しくはこちら>>

公正証書遺言の2つのデメリット

作成に手間・時間・費用がかかる

公証役場へ連絡して日時を調整し、公証役場へ出向きそこでご自身の想いを伝えていきます。

作成するまでに手間や時間がかかるうえに、公証役場や証人など作成に関わる方々にお金を支払う必要があります。

2人以上の証人が必要になる

公正証書遺言は2人以上の証人の立会いのもと作成する必要があります

証人は将来相続人になる方など利害関係者はなれませんので、ご友人や親戚の方などにお願いすることになります。

自筆証書遺言と公正証書遺言の比較 

  公正証書遺言 自筆証書遺言
メリット

○家庭裁判所での検認手続が不要

○死後すぐに遺言の内容を実行できる

○紛失・変造の心配がない
(公証役場で保管)

○手軽でいつでもどこでも書ける

○費用がかからない

○誰にも知られずに作成できる

デメリット

●費用がかかる

●証人が必要
※成年者であることが必要。
※下記の方は証人になれない。
 ・推定相続人
 ・その配偶者
 ・直系血族など

●不明確な内容になりがち

●形式の不備で無効になりやすい

●紛失や偽造・変造、隠匿のおそれがある

●家庭裁判所での検認手続が必要

遺言の内容を誰にも知られたくない時は、秘密証書遺言

秘密証書遺言は、遺言書を書いたという証拠を残しつつ、遺言の内容は秘密にしておきたい場合に利用できます。

本人が公証人役場に出向いて証書に内容を記載して署名・捺印した上で証書を封じ、同じ印鑑で封印をします。

この証書を公証人1人と証人2人以上の前に提出し、自分の遺言である旨を告げ、住所氏名を述べます。
それを公証人が封紙に日付と共に記録し、本人と証人と共に署名捺印して作成します。

公正証書遺言と同じように公証役場で作成するのですが、遺言書の内容を密封して、公証人も内容を確認できないところが相違点です。

自筆証書遺言と秘密証書遺言は、作成時点でその内容を本人以外に知られることがなく、プライバシーを守ることができますが、本人の死後に家庭裁判所で検認の手続きが必要となります。

検認の必要がないのは、公正証書遺言の場合だけです。

遺言に関する無料相談実施中!

4G2A3751相続手続きや遺言書作成、成年後見など相続に関わるご相談は当事務所にお任せください。
当事務所の司法書士が親切丁寧にご相談に対応させていただきますので、まずは無料相談をご利用ください。

予約受付専用ダイヤルは(0120-253-280)になります。
お気軽にご相談ください。

  1. LINEでの相談も対応していますので、お気軽にお問い合わせください。

    LINE(つばさ総合事務所)

  2. 当相談室の遺言コンサルティングサポート

    「事前にちゃんと手を打っておけば良かった・・・」

    当事務所はお客様にそのような悲しい想いをして欲しくはありません。

    そのため、当事務所では単に遺言書の作成を代行するような業務ではなく、お客様が後悔しない最適な遺言を作成するためのサポートを考案いたしました。

    上記サービスを「遺言コンサルティングサポート」という商品として用意させていただきました。

    遺言コンサルティングサポートとは

    遺言コンサルティングサポートとは、お客様の現状や希望を確認し、遺言内容のアドバイスや提案、実際の作成手続きも実施するサポートです。

    ●遺言内容にアドバイスが欲しい
    ●自分の家族や親族の状況に最適な遺言書を作ってほしい
    ●家族が揉めない遺言書を作ってほしい

    といった方にお勧めのサポートとなっております。

    遺言書作成の代行だけするということではなく、相続の専門家が遺言書の内容を確認し、相談者様に最適な遺言書の内容で提案をさせていただきます。

    サポート内容

    ① 相談者の現状や希望、目的の確認
    ② 財産調査(路線価格の平米単価又は倍率の確認、不動産取得税・登録免許税の算出、不動産
    評価証明書と登記事項証明書の取得)
    ➂ 各種生前対策の検討(検討した上で「遺言」が最適な場合に実施)
    ④ 遺言内容のアドバイスや提案
    ⑤ 相談者が希望する手続に関連する注意点や手法などを資料化して提案(企画書にて提示)
    ⑥ 予備的遺言や付言事項を確認
    ⑦ 遺言作成に必要な手間を全て代行
    ⑧ 遺言書の作成
    1. 遺言コンサルティングサポートの費用

      遺言コンサルティングサポートとは、お客様の相続に関して現状や希望を確認し、遺言内容のアドバイスや提案、実際の作成手続きも実施するサポートです。

      ・「遺言内容にアドバイスが欲しい」
      ・「自分の家族や親族の状況に最適な『遺言書』を作ってほしい」

      といったご相談者様にお勧めのサポートとなっております。

      相続財産の価額 報酬額
      2,000万円未満 165,000円
      2,000万円~4,000万円未満 220,000円
      4,000万円~6,000万円未満 275,000円
      6,000万円~8,000万円未満 330,000円
      8,000万円~1億円未満 385,000円
      1億円~ 要見積もり

      ※ 公正証書遺言を作成する場合、当事務書の報酬と別に公証役場の手数料が必要になります。
      ※ 急を要する場合、通常の業務に優先して業務を行う必要がある場合は、報酬が一定割合加算されます。

      遺言コンサルティングサポートについて詳しくはこちら>>

      遺言執行サポートの費用

      相続財産の価額 報酬額
      200万円以下 220,000円
      500万円以下 275,000円
      500万円を超え5000万円以下 275,000円~869,000円
      5000万円を超え1億円以下 869,000円~1,419,000円
      1億円を超え3億円以下 1,419,000円~2,959,000円
      3億円以上 2,959,000円~

      その他遺言関連のサポート費用

      サポート内容 サポート料金
      遺言の効力チェック 11,000円~
      証人立会い 11,000円~/名
      遺言の保管 11,000円/10年
  1. 相続のご相談はメールでも対応いたします

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    この記事を担当した司法書士
    司法書士法人つばさ総合事務所 代表司法書士 大久保 博史
    保有資格司法書士
    専門分野相続
    経歴平成9年1月に司法書士法人つばさ総合事務所を設立 (平成19年8月に法人化)
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