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相続直前に孫へ振り込まれた500万円について、祖父からの「預り金」として整理し円満に遺産分割を行ったケース

ご相談内容

相続人である祖父が亡くなる数か月前、代襲相続人である孫に対し、結婚費用として500万円を振り込んでいました。

しかし、孫は、
「このまま受け取れば生前贈与になる」
「正式に受け取る意思はない」
「祖父へ返金したい」
と考え、祖父へ返還する意思を伝えていました。

ところが、返金手続を行う前に祖父が亡くなり、相続が開始しました。

その結果、
この500万円は「生前贈与」なのか
それとも「祖父へ返す予定だった預り金」なのか
について、相続人間で整理が必要となりました。

問題点

本件では、祖父から孫への送金自体は完了していたため、外形上は「生前贈与」のように見える状態でした。

一方で、孫側には、

  • 受け取る意思がなかったこと
  • 返還する意思を明確に示していたこと
  • 実際に返金準備をしていたこと

という事情がありました。

そのため、
「贈与契約が成立していたのか」
が重要な論点となりました。

もし生前贈与と扱われれば、

  • 特別受益
  • 相続分への影響
  • 相続税上の問題

などが発生する可能性がありました。

当事務所の対応

当事務所では、まず関係者から詳しく事情を聴取し、

  • 振込時の経緯
  • 孫が返還意思を示していた状況
  • 家族間の認識
  • 金銭の使用状況
  • メッセージ履歴等の客観資料

を丁寧に整理しました。

その結果、

  • 孫には受贈意思がなかったこと
  • 返還予定であったこと
  • 実質的には祖父の財産と評価できること

を相続人全員で確認することができました。

そこで、
「孫が保有する500万円返還義務(祖父の返還請求権)」
を相続財産として整理し、遺産分割協議を行う方針を提案しました。

■解決結果

相続人全員が事情を理解し、

  • 当該500万円は実質的に祖父へ返還予定であったこと
  • 遺産分割上で調整すること

について合意が成立しました。

その結果、
不必要な親族間対立を避けることができ
「生前贈与か否か」という争いを拡大させることなく
円満に遺産分割協議を成立させることができました。

このケースのポイント

1 振込があるだけでは直ちに贈与成立とは限らない

贈与は契約であり、
「あげる意思」
「もらう意思」
の双方が必要です。

そのため、
受け取る意思がない
返還する予定であった
という事情がある場合には、贈与成立が否定される余地があります。

2 「預り金」や「返還請求権」として整理できる場合がある

本件のように、
返還予定であったこと
実質的に被相続人財産であったこと
を相続人間で確認できる場合には、
「被相続人の返還請求権」
として遺産分割の調整対象に含めることが可能な場合があります。

相続開始前後の資金移動でお困りの方へ

被相続人の死亡前後には、

  • 多額の振込
  • 家族間送金
  • 生活費援助
  • 結婚資金
  • 介護費用
  • 名義預金

などが問題となることがあります。

これらは、
生前贈与
特別受益
預り金
不当利得
遺産への持戻し
など、法的整理が複雑になることも少なくありません。

当事務所では、相続関係や家族間事情を丁寧に確認しながら、できる限り円満な解決を目指してサポートしております。

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この記事を担当した司法書士
司法書士法人つばさ総合事務所 代表司法書士 大久保 博史
保有資格司法書士
専門分野相続
経歴平成9年1月に司法書士法人つばさ総合事務所を設立 (平成19年8月に法人化)
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