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【解決事例】相続開始後に自筆証書遺言が見つかったが、相続人全員の合意で円満解決した事例

状況

お父様が亡くなられたことに伴い、相続手続きを進めたいとのご相談をいただきました。
相続人は配偶者と長男、長女の3名で、主な相続財産は自宅不動産と複数の金融機関の預貯金でした。当初は一般的な相続案件として、相続人全員による遺産分割協議を前提に手続きを進める予定でしたが、ご家族には一つ大きな課題がありました。

配偶者の方が高齢で老人ホームに入居されており、ご本人の感情面から相続についての話し合いを進めることが難しい状況だったのです。そのため、どのような形で相続手続きを進めるべきかについて、慎重な検討が必要でした。

相続開始後に自筆証書遺言が発見

その後、ご家族が遺品整理を進めていたところ、被相続人が生前に使用していた手帳の中から自筆による遺言書が発見されました。

遺言書には、特定の相続人へ財産を承継させたいという趣旨の記載がありました。その文面は一般的な遺言書でよく用いられる表現とは異なっており、法的にどのように評価されるか慎重な判断が必要な内容でした。

また、発見された遺言書は手帳に記載された形式であり、複数の記載も存在していたため、まずは家庭裁判所で自筆証書遺言の検認手続きを行うことをご提案しました。

当事務所にて検認申立てを受任し、必要書類の収集や申立書類の作成を行い、家庭裁判所での検認手続きを進めました。

遺言書どおりに進めるか、遺産分割協議にするか

検認手続き終了後、ご家族と今後の進め方について改めて協議を行いました。

相続手続きには、
・遺言書を前提として相続登記や預貯金の手続きを進める方法
・相続人全員が合意のうえで遺産分割協議を行う方法
の両方が考えられました。

一般の方の中には、「遺言書が見つかった以上、必ずその内容どおりにしなければならない」と考えられている方も少なくありません。

しかし、相続人全員が遺言内容とは異なる分割方法に合意している場合には、一定の条件のもとで遺産分割協議による解決が可能なケースがあります。
そこで当事務所では、それぞれの方法のメリット・デメリットや手続き上の注意点について丁寧に説明し、ご家族のご意向を確認しながら方針を検討しました。

相続人全員の合意による円満な解決

その後、ご家族の協力により配偶者の方との話し合いも進み、実印の作成や印鑑登録、意思確認などの準備を整えることができました。

結果として、相続人全員が納得できる内容で遺産分割協議を行うこととなり、当初発見された遺言書に基づく手続きではなく、相続人全員の合意による遺産分割へ方針を変更しました。

当事務所では、
・相続関係の調査
・遺言書の検認手続き
・遺産目録の作成
・遺産分割協議書の作成
・預貯金の調査・解約手続き
・不動産の相続登記
までを一括してサポートしました。

また、財産調査を進める中で相続税申告の要否についても確認を行い、最終的には申告不要であることを確認することができました。

本事例のポイント

相続開始後に遺言書が発見されるケースは珍しくありません。
しかし、遺言書が見つかったからといって、必ずしもその内容どおりに相続手続きを進めなければならないとは限りません。

重要なのは、遺言書の法的な効力を正しく確認したうえで、相続人全員の意思やご家庭の事情を踏まえ、最適な解決方法を選択することです。

本件では、自筆証書遺言の検認という法的手続きを適切に行いながら、ご家族全員が納得できる形で遺産分割協議を成立させることができました。結果として、相続人間の対立を生じさせることなく、円満な相続手続きを実現できた事例となりました。

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この記事を担当した司法書士
司法書士法人つばさ総合事務所 代表司法書士 大久保 博史
保有資格司法書士
専門分野相続
経歴平成9年1月に司法書士法人つばさ総合事務所を設立 (平成19年8月に法人化)
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