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【解決事例】「戸籍がこんなにたくさん必要なの?」出生まで遡る複雑な戸籍収集を経て相続登記を完了したケース
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「相続手続に戸籍が必要なのは知っているけれど、どうしてこんなにたくさん必要なの?」
相続のご相談を受けていると、このようなご質問をいただくことがあります。
相続手続では、亡くなられた方(被相続人)の出生から死亡までの戸籍を確認し、誰が相続人なのかを確定する必要があります。
しかし、戸籍は一種類だけではありません。
人が生まれてから亡くなるまでの間に、婚姻、離婚、転籍、養子縁組、分籍などによって戸籍が移動することがあります。また、戸籍制度そのものが何度か改正されているため、古い戸籍をたどっていくと、現在とはまったく違う様式の戸籍が出てくることもあります。
今回のご相談でも、現在の戸籍だけでは相続人を確定することができず、古い戸籍を一つずつたどっていくことになりました。
ご相談内容
A様から、お父様が亡くなられたため、相続登記をしたいとのご相談をいただきました。
まず現在の戸籍を確認したところ、A様を含めたお子様の存在は確認できました。
しかし、相続人を確定するためには、現在の戸籍だけでは足りません。
そこで、お父様の出生から死亡までの戸籍を順番にさかのぼって確認することにしました。
・現在の戸籍
・戸籍の改製によって作られた「改製原戸籍」
・過去に本籍を移したことによる「除籍」
・さらに古い時代の戸籍
など、複数の戸籍を確認する必要があることが分かりました。
「戸籍」はずっと同じものではありません
戸籍は、制度の変更やコンピュータ化などに伴って作り替えられることがあります。
このように、作り替えられる前の戸籍を*「改製原戸籍(かいせいげんこせき)」*といいます。
現在発行されている戸籍だけを見ると、過去に記載されていた事項がすべて載っているとは限りません。
そのため、相続人を確定するためには、現在の戸籍だけでなく、改製前の戸籍まで確認する必要があります。
また、本籍を別の市区町村へ移した場合などには、それまでの戸籍が「除籍」となります。
つまり、相続人を確定するための戸籍収集は、
現在の戸籍を見る→その前の戸籍を確認する→さらにその前の戸籍を確認する→出生までさかのぼる
という作業になります。
戸籍の歴史をたどると、昔の「家族の姿」が見えてきます
現在の戸籍制度は昭和23年に施行された戸籍法に基づいていますが、戸籍制度そのものは明治時代から続いています。
明治5年に戸籍法が施行され、その後、明治19年、明治31年、大正4年、昭和23年など、制度や様式が変更されてきました。
特に古い戸籍を見ると、現在の戸籍とは大きく違うことに驚かされます。
現在の戸籍は「夫婦及びこれと氏を同じくする子」を基本的な単位として編製されていますが、明治・大正期の戸籍には、現在とは異なる「家」を単位とした制度が反映されています。
例えば、古い戸籍には、「家督相続」、「分家」、「入家」、「家督相続人」
といった、現在ではあまり見かけない記載が登場することがあります。
これらの記載を読み解くことで、現在の戸籍だけでは分からない親族関係が判明することがあります。
さらに古い「戸籍」には、現在では通常確認できないものも
戸籍の歴史をさらにさかのぼると、明治5年に作られた、いわゆる*「壬申戸籍(じんしんこせき)」*があります。
これは明治5年(1872年)の戸籍法に基づいて作られた戸籍で、現在の戸籍制度につながる非常に古い戸籍です。
ただし、壬申戸籍には、現在の戸籍制度では記載されないような事項が含まれていたことから、現在では一般に公開・交付される戸籍ではありません。
そのため、相続手続で「もっと古い戸籍を見たい」と思っても、歴史上存在したすべての戸籍を現在取得できるわけではありません。
このように、戸籍には「現在取得できる戸籍」だけではなく、戸籍制度の歴史の中で作られたものの、現在では通常の証明書として取得できないものもあります。
相続手続では「戸籍を集める」だけではありません
今回の案件でも、単に戸籍を何通も取り寄せるだけではなく、それぞれの戸籍を読み比べながら、
「この人は誰なのか」「この記載によって誰との親族関係が分かるのか」「この人は婚姻によって戸籍から除かれているのか」「この人が亡くなったことは別の戸籍で確認できるのか」
などを一つずつ確認していきました。
最終的に、被相続人の出生から死亡までの身分関係を確認し、相続人となる方を特定することができました。
そのうえで、相続人の戸籍等も確認し、必要な書類を整えたうえで相続登記の手続きを進めました。
また、令和6年3月1日からは戸籍法の改正により、一定の要件のもと、本籍地以外の市区町村の窓口でも戸籍証明書や除籍証明書等を請求できる「広域交付」が始まりました。
これにより、本籍地が全国各地に分かれている場合でも、一つの市区町村の窓口でまとめて請求できる場合があります。
「戸籍を全部集めれば終わり」ではありません
相続手続において、戸籍は単なる添付書類ではありません。
戸籍は、亡くなられた方の出生から死亡までの身分関係を確認し、「誰が相続人なのか」を証明するための重要な資料です。
そして、その戸籍を正確に読み解くためには、現在の戸籍だけでなく、改製原戸籍や除籍など、過去の戸籍までさかのぼって確認する必要があります。
一見すると「古い書類を集めるだけ」に思える戸籍収集ですが、実際には、何十年、場合によっては百年以上前の戸籍を一枚ずつたどりながら、家族のつながりを確認していく作業です。
古い戸籍には、現在では使われていない言葉や、現在とは異なる戸籍制度が反映されていることもあります。
「相続人が誰なのか分からない」
「古い戸籍が何通も出てきて、どう読めばいいのか分からない」
「戸籍を集めたけれど、本当にこれで全部なのか不安」
このような場合には、戸籍を一枚ずつ確認し、相続関係を整理することが大切です。
当事務所では、相続登記だけでなく、相続人の調査・戸籍収集からお手伝いしています。
複雑な相続関係や、古い戸籍が関係する相続についても、お気軽にご相談ください。
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